ボクは今、情報発信アカウントをやっている。けど、やっているうちに「これって本当にやりたいことだったっけ?」と、ふと我に返る瞬間がある。
というのもボク、メンヘラだ。言い換えれば精神障害者。そういうと身構える人もいるけど、日常的にはただの“感情が揺れやすい人”ってくらいに思ってもらえたらいい。
Xを見ていると、メンヘラ界隈のインフルエンサーたちの投稿が流れてくる。で、だいたいウケてるのが「あなたは悪くないよ」っていう慰め系の言葉ばかり。これはもう、甘いシロップのようなもので、疲れた人の心にとろ〜んと絡みつく。気づけばその言葉の池の中で、みんな一緒にプカプカ浮いてる。
そして、その池の主たちは決まってこう言う。「このnote読めば救われるよ」。リンク先には、インスタントな希望と、どこかで見たことのあるテンプレの羅列。
「稼ぐ系」ってジャンルにも触れてみたけど、あれはもう“手品師のマジック道具セット”みたいなもの。仕組みの裏を見れば、百均のスポンジと針金でできている。でも箱の外には「夢のような未来」と書いてある。
そんな世界で、どうにか真面目にやろうとすると、自分だけが砂浜に立ってるような気分になる。周りはみんな水上バイクに乗ってて、波しぶきでキラキラしてる。ボクも乗りたい。でも、バイクのエンジンオイルが嘘と煽りでできてるとしたら?
結局うまくいってる人って、大きく分けてふた通りなんだよね。
1つ目は、共感という名のサプリメントを配る人。
2つ目は、詐欺に罪悪感がない人。
あとは“中身がないものを上手にパッケージできる人”かな。
みんなに共通してるのは、煽るのが上手いってこと。炎の言葉を放って、フォロワーの心を炙る。じゅうじゅうと音を立てて、興味を引きつけていく。
でもボクは違う。そういうこと、したくない。したくないのに、うまくいってる人を見ると、つい真似しそうになる自分もいる。頭では「違う」とわかっていても、心が「羨ましい」と呟く夜もある。
とはいえ、ボクには本当に稼げる方法を教えることもできない。だってそんなことしたら、ライバルが増えてボクが稼げなくなる。これは正直な気持ち。大人ってずるい。
それでもやっぱり、情報発信をやるなら、見てくれる人とボクの間に“Win-Win”がなきゃいけない。自分だけ得して、相手には空っぽの箱じゃ、続かない。そう思うんだ。
稼ぐためのマインドセットやメンタル面のアドバイスならいくらでもできる。でも、そんな地道な道はみんな望んでない。Xでアンケートを取ったら、「楽して稼げる方法が知りたい」って結果が返ってきた。世の中はチョコレートケーキが好きで、ほうれん草の胡麻和えなんて見向きもしない。
むずかしいよね、ほんと。
でも、ボクがもう少し稼げるようになって、もっと余裕ができたら——
もしかしたら、今よりもうちょっと、いい発信ができるかもしれない。
結局のところ、ボクが情報発信をしたい理由は2つしかない。
フォロワーを増やして、承認欲求を満たしたい。
そして、お金が欲しい。
このふたつを満たすには、エコーチェンバーか、あるいは詐欺的な手法に走るのが手っ取り早いのかもしれない。でも、ボクは——できればウソをつきたくない。
人を騙すくらいなら、稼がない方がマシだって、思ってしまうんだ。