今日はツレと一緒にインド料理屋へランチに出かけた。寒空の下、ツレはバイクを1時間も走らせてやって来てくれた。なんていうか、その行動が胸にしみる。今まで気づかなかったけど、こんなふうに誰かが自分のために時間や労力を割いてくれることって、実はとてもありがたいことだ。ツレのやつ、普段はぶっきらぼうなところもあるけど、こういうさりげない優しさを持ってるんだなあと、改めて思った。
目指したのは、友達がやっているインド料理のお店。カレーが抜群においしい、こじんまりとした場所だ。でも今日はその友達が留守で、代わりに長男くんが店番をしていた。長男くんとは顔なじみだけど、なんだか今日はいつもと違った。なんとなく他所他所しいというか、心にふわりと距離を置かれるような感じがした。あの感じ、なんだったんだろう。寒空のせいなのか、私がもうすぐ日本を離れると知っているせいなのか。少し寂しい気持ちを抱えながら、ツレとカレーを一口。熱々のスパイスが広がって、少し心がほぐれた。
食事の後、ツレと少しだけおしゃべりをした。何を話したかはあまり覚えていないけど、ツレが笑ったときの表情が印象的だった。こうして何気なく過ごす時間もしばらくはおさらば。そう思うと、急にその瞬間が特別なものに思えてきた。
帰り道は寒さがさらに増していて、頬に当たる風が冷たいなんてもんじゃなかった。でも、心の中は妙にあたたかい。ツレの優しさ、長男くんのそっけなさ、そして日本を発つ準備を進めている自分。全部が入り混じって、ひとつの大きなカレー鍋のようにぐるぐるしていた。
そうそう、日本を発つ準備といえば、ほぼ完了だ。荷物はあらかたまとめ終えたし、機内で観る本や動画も厳選した。いよいよ、という感じだ。でも今日の出来事を振り返ると、まだ日本にいる間にやりたいことがひとつ増えた気がする。たぶん、それは「もっと感謝すること」だ。ツレに、友達に、そしてこうして出会ってきた人たちに。
寒空の下バイク2ケツで食べに行ったランチは、単なる食事じゃなかった。スパイスの香りとともに、小さな気づきが心にしっかり刻まれた。こんな日も、きっと忘れない。
2024/12/08