インド4日目。新しい街にも少しずつ慣れてきたのか、顔なじみの店に入ると自然と目で挨拶するようになった。すると向こうも笑顔で返してくれる。なんていうか、インド人って基本、良い人たちだ。ボクがこれまで会った9割9分の人は、外国人であるボクに無関心。ただ、一部の商売人と、何か興味を持った人たちだけが声をかけてくる。こんな距離感が心地いい。
さて今日は、バラナシ行きの切符を買うべく、「フェアリープレイス」というところへ向かった。名前がもうファンタジーすぎて期待が膨らむが、そこにたどり着くまでが一苦労。歩いて片道40〜50分、しかも人の波が途切れることのないニューマーケットの中を進まなくてはいけない。交差点はカオスそのもの。信号は壊れているか、そもそも飾りか?バンコクの交差点では、少なくとも車やバイクがこちらを気にしながら走っていた。でもインドでは違う。こっちが避けなければ即アウトだ。突っ込んでくる車やバイクの列に、ボクの心拍数は終始乱高下だった。
そうこうして、ついに「フェアリープレイス」に到着。名前だけ聞けば妖精が微笑む楽園みたいだが、実際は普通の建物だった。「切符を買いたいんですけど」と係員に話しかけると、「パスポート見せて」と言われる。用意していたコピーを差し出すと、すかさず「オリジナルじゃなきゃダメだよ」と返されてしまった。
あれ?前にインド人から「コピーで大丈夫」と教わったのに…。期待を膨らませながら歩いてきた道のりを思い出し、笑うしかなかった。往復2時間だぞ、どうしてくれるんだ。いや、仕方ないか。
ということで、次回はちゃんとパスポートの原本を持って再挑戦するつもりだ。それにしても、14日はクンブメーラというヒンドゥー教最大のお祭りがあるらしい。川辺で大きな儀式が行われるとか。せっかくなら、その日に合わせて行こうかな。こうして予定は少しずつ、インドの川の流れのように形を変えていくのだ。