ついにインドに降り立ったボク。ここがあの「インドのパワー」とやらが渦巻く国かと思ったら、初っ端からそれに呑まれっぱなし。とにかく、どこからともなく人が話しかけてくるのだ。道を歩いていると、通りすがりのおじさん、たまたま横に座っていた青年、手を伸ばしてくる乞食のおばさん、さらには何かを売りつけたそうなお兄さんまで。見渡せば、まるで「話しかけ選手権」でも開催されているかのような賑やかさだ。
特に印象的だったのは、乞食のおばさん。手を握りしめてきて、笑顔で「何か食べさせてほしい」なんて言ってくる。いやもう、このフレンドリーさ、乞食の域を超えているよね。ボクは嫌な気持ちにはならなかったから、ついつい少し話していたけど、気づけば時間がポロポロとこぼれていく。こういうところ、インドは時間泥棒だ。
屋台でチャイを飲んだり、ご飯を食べていると、また新しい「話しかけ祭り」が始まる。言葉が通じなくてもお構いなし。まるで言葉なんてただの飾り物みたいに、身振り手振りと笑顔で押し切られる。こういうところ、中国人にも似てるな、なんて思ったりして。
そして驚くべきことに、同じ人に2回目に会うと、握手を求められる。ボク、人生でこんなに握手することある?日本じゃ絶対あり得ないよね。けど、なんだかインドではそれが自然。さすがインド、スケールが違う。
その日の旅先はコルカタのサダルストリート。到着して1時間も経たないうちに、チャイを片手にまったりしていたら、なんと日本で有名な「コルカタのサトシ」と遭遇!向こうから声をかけてきて、しばらく会話。なんだかインドで日本を感じる瞬間って、不思議なものだね。
で、昨日はWi-Fiが全然繋がらなくて日記が書けなかったんだけど、今日になってやっとWi-Fiがちゃんと入る部屋に移動。テーブルでPCを触るなんて、タイ以来だ。タイではずっとベッドの上でカチャカチャやってたから、この新鮮さはありがたい。
インドに着いたのは昨日の深夜0時。噂の深夜便、そして空港泊。「夜中に空港から街に向かっちゃゃダメ!」と色んな情報源に脅され、ベンチでじっと朝を待つ。インド人ですら空港で夜明けを待ってるくらいだから、ボクなんて出るべきじゃないよね。
朝になって街に出たボクは、インド初日のパワーに圧倒されて「インドしんどー!」と叫びたくなるほどの疲労感。でもね、これも旅の醍醐味。明日はもっとインドを楽しめるといいなって思いながら、今夜はぐっすり寝ることにするよ。