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インプレッション90、クリック23。その謎に迫るツァイガルニクな夜

フォロワーさんが700人いる情報発信アカウントがある。とはいえ、それは「クラスで名前は覚えられてるけど、放課後に誘われないタイプの子」みたいなもので、ずっと影の存在だった。投稿しても、誰も振り向かない。拍手も笑い声もない。まるで無音の教室。

でも昨日、ちょっとだけ変わったことが起きた。
何の気なしにポストした内容。いつものようにいいねはチラホラ、いや、ほぼナシ。インプレッションは90くらい。少なっ!って思ったんだけど、リンクのクリック数がなんと23。CTR 25.5%!! 目を疑って、タップ音が指から変な音出した。

え、なにこれ?
まるで、誰にも見られてないと思って庭に埋めたタイムカプセルが、急に地表に出てきたみたいな気分。

そのポスト、実は全然説明してなくて。リンク先の中身もアイキャッチもなし。「これ何?」ってなるやつ。けど、ポスト自体にはちょっとだけ意味深な空気が漂ってた。いわば、口火だけ切られて放置されたロケットみたいなもの。

あとで気づいたんだけど、これってたぶんツァイガルニク効果だったんじゃないかと。人は“完了してないもの”“途中のままのもの”が気になるってやつ。連ドラのCMだけ見せられて、次回予告で終わる感じ。

しかも今回、カリギュラ効果も混ざってたかも?
「中身は言わないよ、でもリンクだけ貼っておくね」って、ちょっと意地悪なポーズが、逆に火をつけたのかもしれない。見せないほど見たくなる、ってやつ。開けるなと書いてある箱を開けたくなる心理。なんか、フォロワーの皆さんが猫になった瞬間を見た気がした。

興味深いのは、クリックされた人たちって、たぶん濃いフォロワーだったこと。大勢じゃなくて、ちゃんと見てる数人が反応した。量じゃなくて質。広さより深さ。なんか、すごくうれしい発見だった。

これって、もしかして自分、ちょっとだけマーケターの卵みたいになれてる?
ゆで時間も火加減も分かってないけど、殻にヒビは入った感じ。

よく考えたら、こういう「気になっちゃうけど中身が見えない」構造って、応用できるよなあと思ってきた。
たとえば:

  • 「あのときの●●が、まさかこうなるとは…」みたいな断片投稿

  • 「“たった1行”変えただけで売上2倍に。→リンク」みたいな謎めいた見出し

  • 「決着つきました」って一言だけ言って中身はリンクの先…とか

ちょっとした未完成の美学。ピカソの下書きに惹かれる感じ。

だから次から、自分のポストで実験してみようかと考えてる。「気になるポスト研究所」って名前つけて、クリック率とか心理効果とか、いろいろ試して記録してみる。

そしたら、フォロワーさんとの距離も縮まりそう。
そして自分自身も、少しずつ“ただの発信者”から“観察と発見を楽しむ人”に変われる気がする。

最初は静かな校庭だったけど、もしかしたらそこに、ちゃんと耳を傾けてくれてる人がいた。そんなことに気づけた、リンク1本分の奇跡。


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