昨日、元嫁ちゃんと一緒に万博公園でやってるマレーシアフェスに行った。
最初に「マレーシアフェス」って聞いたとき、ボクの頭の中ではもうね、店がずらーっと並んだ通りができてた。あの、毎年わんさか人が集まるタイフェスとか、ここのところ増えてるベトナムフェスとか、ジャマイカフェスとか。あんな感じを想像してたの。勝手に。でも調べるのめんどくさかったから、鼻歌まじりで会場へ。
着いてまず目に入ったのは、ぽつん…ぽつん…と並ぶキッチンカーが4台。数えなくても指が余る。なんだこれは。フェスというより、寂しがりやのフードトラックたちの集会。
ちょっとガックリしながら、とりあえず1台目へ。テタレっていう練乳入りのミルクティーと、ココナッツと卵がはさまったカヤトーストを注文。テタレはね…うーん、もっとパンチのあるやつかと思ったんだ。あの、ベトナムの甘さが暴走してるコーヒーとか、香港の鴛鴦茶みたいなやつ。だけど実際は、月曜日の朝みたいに普通だった。これはこれでいいのかもしれないけど、ボクの舌は少し肩をすくめた。
カヤトーストは違った。ひとくちで心が「これだ!」って言った。やさしい甘さに包まれて、ベンチに座るボクたちの間にも、ちょっとだけやわらかい風が通った。
2台目ではラクサとバティックケーキ。うん、これもイケる。気づいたら、あの「人少なっ!」っていう感想が、だんだん「快適やなぁ」に変わってきた。並ばないって最高。場所取りもしないで座れるの、素敵。まるで図書館の隅で、静かにお気に入りのページをめくるみたいな空気。
3台目ではナシレマと、鶏のカレーみたいなやつ。あれはもう、美味さの沼。スパイスの波がじんわり寄せてきて、ああ、これはマレーシアという国の片鱗なのかもしれないな、なんて思った。
フェスとしての盛り上がりはなかった。音楽も雑踏も、ぜんぶどこかに置き忘れてきたみたいだった。でもその代わり、あの空気の中には、やわらかくてひそやかな「合う」という感覚があった。合う味。合う空間。合うタイミング。
だから、ボクは決めた。たぶん行くよ、マレーシア。フェスの続きは、本場で。
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