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レゲエ映画バビロンの感想と最高にかっこいいシーンにetcって話

2022/12/17

 こんにちは、先日イギリスのレゲエ映画バビロン』を観てきたんですが、この映画でのワンシーンに被写界深度の変化って奇麗だなと感動させられてしまった”わあすけ”です。(Twitter@wahsuke

今回はこの映画バビロンのよかったシーン、かっこいいなって感じたシーン、そして「おー」ってなったシーンの紹介を。

ネタバレもしちゃってるので嫌な人は閉じちゃってください。

レゲエ映画バビロンのワンシーン
出典:バビロン公式Twitter

映画バビロンってどんな映画だよ?

この映画バビロンてのはイギリスが制作し1980年に公開されたレゲエ映画で舞台はロンドン。

ジャマイカからの移民でサウンドシステムを運営しているクルー達が自分たちのアイデンティティであるレゲエを拠り所として生きるが、歯車がだんだんと狂いだし…。

扱うテーマは人種差別と偏見、そして文化の違いによる原住民 VS 移民の摩擦。

とりあえず予告編でも見る?

映画バビロン公式サイトとか

外部リンク映画バビロン公式サイト

外部リンク映画バビロン公式Twitter

ジャマイカ人の反応は?

とあるジャマイカ人に、この映画のチラシを渡して「今日この映画バビロン見てきてん」って言ったら「なにこれ?知らんわー」って言われちゃいました。

ま、彼が生れる前の映画だしイギリスの映画だからかもだけど。

バビロンで好きなシーンたち

スペイン語翻訳のバビロンがYouTubeにあったので、動画と共に映画バビロンで「いいなー」って思ったシーンを紹介します。

被写界深度の変化が奇麗なシーン

再生するとそのシーンから始まります

被写界深度の変化が奇麗なって思ったシーンがあるんですよ。こういうのって映画ならではで、写真だと絶対に表現できないことですよね。

シーンの解説

橋の上からカメラマンが撮影してて、このシーンの主題である被写体の青年ブルー(アスワドのブリンズリー・フォード)が橋の階段を上ってくるんですよ。で、その時は被写体との距離もあるので被写界深度がけっこう深めで背景も映ってる。

そこからカット無しで撮り続けるんだけど、橋の上で手すりに持たれて休憩する時は被写体との距離が近いので被写界深度が浅くて背景が奇麗にボケボケ。

またそこから、ブルーが歩きだし、橋の向こうへ降りていくんだけど、そこではまた被写界深度が深くなって周りの景色も捉えられる。ってシーン。

ここ最高にかっこいいんすよ

もうなんかね、背景めっちゃ見てました。このシーンの主題であるブルーさんの表情とかより。

このシーンの最後、ブルーが階段を下りていくところで被写界深度が徐々に深くなって背景のビルがだんだん写ってくるところとか「うわー、ええなー」って。

ラスタマンたちのナイヤビンギ

再生するとそのシーンから始まります

もう一個最高に好きなところがあるんですよ。それはラスタマンたちが倉庫でケテドラムなんかを奏でるナイヤビンギのシーン。

ラスタマンたちがガンジャ吸いながらケテドラムを鳴らして「ジャー・ラスタファーラーイ」ってやってます。元々は映画ロッカーズでこんな音楽あるんか!って思って好きになりました。

こういう音楽最高にかっこいい。雰囲気も好き。ほんと好き。どれくらい好きかって言うと、若い時って色々悩むじゃない?そん時に『ラスタファリズム』を信仰?しようかと考えてた時期もあったくらい好き。だからか、やっぱ今見てもいい。ちょっと関係ないけど。

プロデューサー同士の優しいかけあい

再生するとそのシーンから始まります

このシーンもいいなあって。信頼関係マックスでかっこいいんすよ。

機材を破壊されたサウンドシステム アイタル・ライオンのプロデューサーが知り合いに機材を貸してくれと教会で交渉するシーン。

正確なセリフはもう覚えてないけどこんな感じ。

かけあい
知「ミサの途中に呼び出してまでの用ってなんだよ?」
プ「今度の〇曜日機材は空いてるか?」
知「なんだ、その口の利き方は? リスペクトはどうした?」
プ「機材が必要なんだ」
知「ふざけんなボケ」
と、倉庫の鍵を手渡す。
知「終わったらポストへ入れておけ」

大体こんな感じ。

ここ、いいんすよね。お互いの口の利き方とは裏腹に状況を読んで優しさ全開で手助けをする。

バビロン サントラのプレイリスト

このバビロンのサントラのSpotifyプレイリストが公開されています。

映画 バビロンの感想とか

この映画は公式サイトや予告編を見るなどの予備知識なしで観に行きました。

最初は楽しい感じだったのに、後半急展開して重く、ひたすら重くなっていくのが個人的には残念だった。ま、そういう映画だから仕方ないんだけど。

それにそういう、エンディングだからこそ緩急をつけるための前半パートだったとは思うし。でも個人的には楽しいジャマイカンが見たい派です。

日本在住ジャマイカンと同じこと言ってた

この映画を見た後にジャマイカン料理を食べに行ったんですけど、そこで話したジャマイカ人の言ってたことが、ブルーが自動車整備工場で言ってることと同じだったんですよね。

あ、同じこと言ってる。なんて思いながら聞いていました。

共通点
  • 例え上司でも命令だけして自分は動かないってなんやねん
  • 例え上司でも言いたいことは言わしてもらう
  • 他に手の空いてるヤツに言えばいいだろ、なんで俺ばかりがいつも犠牲になるんだ?
  • 休憩時間だから休憩させてもらう

そして、そういえば自分もそんな事昔思ってたけど、いつの間にか染まっちゃったなあって思いながら話を聞いていました。

でもさ、しゃあないところもないか?

途中倉庫に入ってる機材が騒音に悩む近隣住民から破壊されるんですが、ある意味仕方なくね? とは思います。瓶を投げつけられたり。ま、法的にはダメなことなんですが。

ただ、人種差別うんぬんじゃなく、うるさいのはあかんでしょ。って。

でも、そこに人種差別が絡むのはよくないよねとは思います。そしてそこからブルーが切れてしまったのも理解はできるんだけどね。ずーっと我慢してたんだろうなって。近隣問題だけじゃなく、いろんな場所で日常的に差別があった。我慢してたけどそれがプツンと切れちゃった。

日本で日本人として暮らす僕には本当の意味では理解できない事だけど。

文化の違いによる摩擦

個人的にはこの映画は文化の違いによる摩擦も書いてると思います。誰が悪とかじゃなくて、文化が違うからどうしても起こってしまう衝突。だから相互理解は大切だし、何らかの解決を目指さないといけないよね、って。

アイタル・ライオンのメンバーはただレゲエを楽しみたかっただけ。それが文化。でもロンドンにそんな文化はない。そこで起こる衝突。

ジャマイカに行ってた友達が言うには「ジャマイカでは庭とかでサウンドシステムやってるけど、普通に怒鳴り込んできてたで」とは言ってましたが、ま、いちおうそこはジャマイカンのアイデンティティや象徴としてのサウンドシステムを劇中では描いていてるんじゃないかな? って気がします。

映画バビロン まとめてきなの

うん、重い映画でした。前半楽しかったのが後半ほんと「えー」ってなる展開で。

今のところネットでの配信とかは無いようですが、機会があれば見ることをおすすめしたい映画です。