最近、FXのチャートとにらめっこする時間が増えてきた。動画を見ては、うんうんとうなずき、試してはガックリ肩を落とす。そんな繰り返しの日々の中で、ようやくひとつだけ、ボクの脳みその豆電球がチカっと光った。
「相場は、トータルで勝てばいいんだって」
そんなの、知ってるよって話なんだけど。いや、知ってる“つもり”だっただけで、たぶんボクはずっと“勝率10割”の夢を見てた。完璧なトレード。ノーミス。ダマシゼロ。そんな理想郷を求めて、聖杯探しの旅に出ていたらしい。あの、RPGの村人が言う「北の洞窟に伝説の剣が…」ってセリフに毎回のっかってしまう、あの感じ。
でもさ、よく考えたら、そんなのあるわけないんだよね。騙しもあるし、思い込みもあるし、勝ったと思ったらすぐ負けるし。まるで優しさを見せたあとに突き放してくる、気まぐれな猫のような相場。
「優位性のあるところで勝負するんだよ」って、みんな言う。じゃあその優位性ってなに?見えるの?触れるの?ってなると、また分からなくなる。だってそれが分かれば、みんな勝率10割じゃん、って。結局また同じところをグルグル回る、永遠の迷路。
でも、今日。ほんの少し、ほんの1ミリだけ、前に進んだ気がした。
チャートを見てて、分かったことがある。「まだ勝てるレベルじゃない」って自分を責めるのを、やめたこと。それより「今日はちょっとだけ分かったことがあった」って、自分にOKを出せた。つまり、成長したってことなんだよね。
ボクはローマを目指してる。でもローマは一日にして成らない。焦って走って転ぶより、今日は一歩。明日も一歩。そうやって進んでいけばいいんだ。最初から100を目指すのは、朝一番から焼き肉を食べようとするようなもんだ。おなか壊すに決まってる。
ということで、今日は「分からない」という名の宝石を拾った日。そんな日。