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ムカつくけど憎めない、バイクで来たあいつとカレーの夜ごはん

今日は、日めくりカレンダーが「特に予定なし」と言ってるような土曜日だった。

ボクもその言葉に従って、やや脱力気味にスタート。普段ならFXの動画とか見て、脳みそにカツを入れるんだけど、今日はそんなのもお休み。代わりに本を少し読んで、チャートをぼんやり眺める。まるで水槽の中のグッピーみたいに、ただただ泳ぐ数字たち。
こっちも似たようなもんだ。

夕方には、友達と、さらに別の友達がやってるインド料理屋に行った。要するに帰国祝いってことで奢ってもらえたのだ。やったね。
それにしても、食べたなぁ……。ナンとカレーを基本装備に、タンドリーチキン、チョーメン、豆のサラダと、インドの精鋭部隊が次々に登場。お腹の中はもう、ガンジス川が氾濫寸前。

せっかくだから、旅先のあれこれも話してみたんだけど、これがまた見事なまでの無関心。まるで乾いたスポンジに水を垂らしたみたいな反応。
「あのさー、せっかく喋ってんだから、もうちょいリアクションくれよな」と思いつつ、口には出さない。出さないけど、態度にはにじみ出てたかもしれない。

でもまあ、感謝してるんだよね。なんだかんだ言って、バイクで1時間もかけて、こっちのために来てくれるんだもん。普段は腹の立つことばっかしてくるやつなんだけど、たぶんそれがボクらの距離感。
ムカつくけど、居心地がいい。そういうのを30年も続けてきたのは、もう立派な文化遺産だと思う。

あ、そうだ。もうひとつ嬉しかったのは、インド料理屋が満席だったこと。前に行ったときは、カウンターの椅子と目が合うくらいガラガラだったのに。
少しずつだけど、地元に受け入れられてきたんだなーって思うと、こっちまでほっこりする。湯気の立つナンみたいに、ふかふかした気持ちだ。