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宗教ルールを知らないボクがインドで体験した怒られ記

ボクは今日もガンジス川をぶらぶら歩いていた。ただ、ぶらぶらしているだけで、どこか特別な風が吹いてくる気がするから不思議だ。そんなときにふと目に入ったのが、ヒンドゥー教の寺院。これはどんな場所なんだろうって、ちょっと覗いてみたくなった。なんてことはない好奇心。ただ、その好奇心が大きな事件を生むとは、このときのボクには想像もつかなかった。

寺院の中に入ってみると、なんだか静かな空気が漂っている。とても厳かな雰囲気。外の騒がしさが嘘みたいで、別世界に来たような感覚になる。しばらくボーッと見ていたら、周りのお参りをしている人たちがボクの足元をちらちら見始めた。そして、ついに一人の男性がボクを指さして「それ」と言った。

「ん?」とキョトンとするボク。視線の先を追うと、自分のスニーカーに行き着いた。あれ?と周りを見ると、みんな裸足じゃないか!やっちゃった、と一気に体中が汗ばんだ。これ、絶対にマズいやつだ。慌てて外に出たんだけど、出口で待ち構えていたインド人の女性がボクを呼び止めた。そして、言葉の嵐。声のトーンと表情から察するに、相当怒っている。

彼女が何を言っているのか、ボクの英語力じゃほとんど理解できない。それでも雰囲気は十二分に伝わる。「ごめんなさい!ほんとごめんなさい!」と平謝りするしかなかった。でも、その謝罪もどこか空回りしているようで、ボクの心はジリジリと焦げ付いていった。

怒られた後、寺院を外からじっと見つめていたボク。中はどうなっているんだろう、やっぱり気になる。でも、ルールは守らないといけない。靴を脱いで、もう一度入り直したい。そう思って、さっき怒られた女性に勇気を出して尋ねてみた。「靴を脱いで、ルールを守ったら入ってもいい?」と。彼女はルールを教えてくれたんだけど、それがボクにはとてつもなく難しくて、結局諦めるしかなかった。

宗教って、こういうときに特に重さを感じる。日本で育ったボクには、その重さがまるで鉄の扉みたいだった。でも、ルールを知っていたらその扉も少しは軽くなるのかもしれない。いや、それにしても本当に焦った。特に、宗教が絶対的な影響力を持つ国では。