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ガンジス川が見えた瞬間、ボクの胸に溢れた小さな感動たち

今日はコルカタ最終日。つまり、長年夢に見ていたガンジス川のほとり、バラナシへの出発の日だ。朝から「ついにこの日が来た!」と胸がじわっと熱くなる。まずは出発駅、ハウラー駅へ向かうため、サダルストリート近くの地下鉄駅で電車を待った。

でも、この電車、全然来ない。じりじりとした時間が30分以上続いたと思ったら、やっと来たのが反対方向行きの電車。しかも駅員さんが「これに乗れ」って言うんだよね。なんだそれ?でも仕方ないから乗ってみた。そしたら不安になって飛び降り、別の駅員さんに確認すると、またもや「乗れ」の一点張り。結局その電車はちゃんとハウラー駅方面に向かって動き出した。なんだこの謎システム。インド時間、恐るべし。

ハウラー駅に着いたのは15時頃。でもバラナシ行きの列車の出発は20時25分。5時間以上もある。駅周辺で何か時間を潰せるかなと思ったけれど、何もない。ほんとに何もない!大きなため息をつきながら、駅の隅でボーッと座って時間をやり過ごした。

そんな時間の中でふと思い出したのが、サダルストリートのことだ。そこでは街を歩けば誰かが声をかけてきて、挨拶したり話したりするのが当たり前だった。でも、ハウラー駅では誰も話しかけてこない。全員が忙しそうで、無関心な世界。それはそれで当たり前なんだけど、なんだかサダルストリートが夢のような別世界に思えてくる。これもインドの不思議。

そして20時頃、乗客者リストの掲示板に名前を確認しに行くと、インド人が話しかけてきた。「君45番のベッド?ボクの兄弟の54番と交換してくれない?」って。断る理由もないしOKすると、その人が車両の場所を教えてくれたり、車内での言葉を通訳してくれたりした。結果、ボクも助かった。これぞインドの人情だ。

列車に揺られて約14時間。夜が明ける頃、ついにガンガーの上を列車が通過する瞬間が来た。ボクの心は「やっと来たぞ!」の一言に尽きる。そしてバラナシ駅に到着。トゥクトゥクやリキシャーで交渉して宿に向かったけれど、これがまた高い。「200ルピー」なんて吹っかけてくるのを値切って150+バクシーシ50で手を打つも、実際の距離は言われてた10kmじゃなくて3〜4km程度。ボラれてるよなぁ。でも乗らないと進まないし、これも旅の醍醐味だと思うことにした。

宿に着いて受付を済ませると、近くにいた女性が「こんにちは」と日本語で挨拶してきた。少し話して、一緒にクンブメーラへ行こうという流れにったけれど、まだ未定。でもこういう偶然の出会いが嬉しい。

そして屋上へ。いえーい!!ついにガンジス川を一望だ。感動して屋上からすぐに降り、川辺へ駆け出す。列車から見たとき、屋上から見たとき、そして近くで見たとき。ガンジス川との3回の出会いに、ボクの胸は何度も高鳴った。やっと来た。ついにここまで来た。ほんまに来た!