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せやろが光ったビリヤニ午後

 この前の土曜日、元嫁ちゃんとエリックサウスにビリヤニ食べに行ってきた。

なんで行ったかというと、その前の週に大阪で「ビリヤニがめっちゃうまい」って評判の店に行ってん。

1時間並んでな。

ほんなら食べ終わって、元嫁ちゃんと顔見合わせて、

「……これ、何がうまいんやろ?」

ってなった。

まずくはない。

でも、わざわざ1時間並んで食べるほどかと言われたら、よう分からんかった。

で、その人気店行った前の週に、友達とエリックサウスへ行った。

そこで食べたハイデラバード式ビリヤニがめちゃくちゃうまかった。

「あ、ビリヤニってこんなうまいんや」

って思った。

せやから元嫁ちゃんに、

「この前の店より、こっち食べてみ。絶対こっちの方がうまいで」

って言うてた。

ほんで土曜日、実際に行ってきた。

元嫁ちゃんはハイデラバード式ビリヤニ。

俺は普通のビリヤニ。

席について料理が来て、元嫁ちゃんが一口食べた。

「あ、美味しい」

そう言いながら、そのままパクパク食べ始めた。

俺はすかさず、

「せやろ?」

って言うた。

なんやろな。

自分が見つけたうまいもんを、人が気に入ってくれた時って妙に嬉しい。

しかも大事な人やったらなおさらや。

ところがその直後。

俺も自分のビリヤニを一口食べた。

「あれ?」

ってなった。

もう一口。

やっぱり、

「あれ?」

や。

前に食べたハイデラバード式ビリヤニの感動と全然ちゃう。

なんやこれ。

同じ店やのに全然ちゃうやん。

元嫁ちゃんは横で、

「この前の店より全然うまい」

ってパクパク食べてる。

俺は、

「なんで俺の方ハズレやねん」

と思いながら食べてた。

その時、改めて思った。

人気店やからって、うまいとは限らん。

行列できてるからって、自分の口に合うとも限らん。

SNSでインフルエンサーが絶賛してても、

「え?こんなもん?」

ってなることは結構ある。

正直、何回もある。

みんな同じ店を紹介してるけど、行ってみたら全然ピンとこんことも多い。

昔やったら、

「こんだけ人気なんやから、きっと自分がおかしいんかな」

と思ってたかもしれん。

でも今は違う。

結局、うまいかうまくないかなんて、自分で食べてみんと分からん。

人の評価なんか参考程度や。

最後は自分の舌で決めるしかない。

そんなことを考えながら食べてた。

でもな。

今回一番印象に残ってるんは、普通のビリヤニが微妙やったことでもない。

人気店が当てにならんことでもない。

元嫁ちゃんが一口食べて、

「あ、美味しい」

って言うたことや。

それに対して、

「せやろ?」

って返したあの瞬間や。

うまいもんに出会った時の嬉しさもある。

でも、それを誰かと共有して、相手も同じように喜んでくれた時の嬉しさもある。

あれはまた別もんや。

うまいもんに出会う喜びは、一段階ちゃう。

二段階ある。

そんなことを思った土曜日やった。