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お粥の魅力を知った朝、ヤワラートの現実に出会う

朝食にお粥を食べた。いや、お粥なんて正直言うと好きじゃなかった。なんというか、病気の時にしか食べないイメージで、テンションの上がる食べ物じゃない。でもさ、こっちに来てから毎日カオマンガイばっかり食べてたらさすがに飽きてきたわけで。で、「まあ今日はお粥にしとくか」くらいのテンションで食べてみたんだけど、これが思ったより面白かった。

テーブルには砂糖、唐辛子、ナンプラー、ハラペーニョなんかが勢揃いしてて、好きに味付けできるんだってさ。なんだろう、自分で完成させるラーメンみたいな感じ? しかもお粥自体にもほんのり味がついてて、トッピングだってなかなか攻めてる。日本ではお目にかからない「揚げた寒天」みたいなやつがドンと乗ってるんだよ。思わず、「なんだこれ、アクセサリーか?」とか思ったけどね。

試しにナンプラーとハラペーニョを投入して一口食べてみたら……うまい! あの独特の辛さがなんともクセになる。辛いのに箸が止まらない。どんどん食べて、気づけば器が空っぽ。「あれ、ボクお粥好きかも?」なんて、新しい扉がひらいた瞬間だった。

そんなこんなで朝の満足感に包まれながら、最近ちょっと苦手だった宿の人と話してみることにした。すると、これが意外にスムーズ。笑顔で話してみたら、相手も笑顔。なんだ、こんな簡単なことだったのか。でもまあ、その人はその後別の場面でまた会話に割り込んできたりして、「ああ、こういう人なんだな」って納得するしかなかった。価値観なんて人それぞれだもんね。しゃあないしゃあない。

夕方、ヤワラート(中華街)に足を運んだ。正直、一人で行くにはちょっと気が引ける場所だと思ってたんだけど、暇スレ民に「一人だからこそ行くべき!」って推されたから、素直に行ってみた。でもやっぱり、ボク的には「一人で来る場所じゃないな」って思ったよね。高そうな店がずらりと並ぶ通りを適当に歩いたけど、なんかこう、一人だと気軽に入る気になれない。

結局、ボクが選んだのは路地に面した小さな店。屋台よりちょっとマシって感じの、あんまり高そうじゃない店。でもね、味は……まあ普通。いや、まずくはないんだけど、中華街で食べた!っていう感動はなかった。しかも、お会計を見たらびっくり。鴨の麺とエビフライ3つで、ボクの宿代込みの一日生活費を超えてた。中華街、さすが観光地。物価の壁、高すぎる。

観光気分で楽しむならいいんだろうけど、一人旅のボクにはちょっと荷が重かったな。そんなことを思いながら、また明日の朝ごはんをどうしようかなって考えてます。