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バンコクの町がくれた、愛おしいカラフルな日常

2024/12/28

バンコク生活にもだいぶ慣れてきた。日記を書こうとPCに向かうけど、「今日は何してたっけ?」と首を傾げる始末だ。朝の共有スペースで朝活をして、部屋で作業して、疲れたら街を散歩する。その繰り返し。こうして日常がすっかりバンコク色に染まっているのだ。

そういえば、いつも通っているお気に入りのカオマンガイ屋台が今日はお休みだった。その瞬間、朝ごはん難民になるボク。適当に歩きながら何かないかと探していると、小さなロティ屋台を発見した。メニューに「マタバ」と書かれている。タイ南部の料理らしく、イスラム系の食文化から来たものだとか。なんだか面白そうだから買ってみた。宿に戻って食べると、これが実に美味しい!甘いタレをたっぷりかけて頬張ると、まるで砂糖の妖精が舞い踊るかのような甘さが広がる。甘いもの好きのボクには天国そのもの。「また甘いの食べてるの?」と従妹や友達の声が脳内に響いたけど、まあ気にしないでおこう。

その帰り道、いつものコーヒー屋台に寄ってアイスラテを買う。ここで買うのもこれで3回目だ。練乳が入っているところが決め手で、甘党のボクにはピッタリの味。バンコク中でアイスラテを試したけど、ここのラテは2番目に美味い。ちなみに1番は別の店で、そこも練乳がポイントだった。やっぱり練乳は正義。

そうそう、仲良くなった隣の宿に住む日本人のおっちゃんにも、また会った。バンコクの町を歩けば3回に1回は遭遇するんじゃないかってくらいよく会う。このおっちゃん、ちょっと前に「プノンペンに行くのは1か月後かな」なんて言ってたのに、今日は「あと2週間だわ」と言い出した。ん?1か月後って言ってたのに?と思ったけど、それだけ時間が経ってたってことだよね。そして気づいた。ボクのバンコク生活も、あと2週間ほどしか残っていない。

作業が思うように進んでいない焦りと、やっと馴染んできたこの街を離れる寂しさ。そして仲良くなったおっちゃんとの別れ。胸の中には、カラフルな糸が絡まるような複雑な気持ちが渦巻く。きっとこの街にいられるのはもう少しだけ。それでも、こんな小さな日常が愛おしいと思えるのは、ボクがここで少しずつ根を張り始めていたからなんだろうな。


2024/12/25