朝、何してたっけ?と首をかしげながら日記を書いている。バンコクでの暮らしがすっかり日常の景色に溶け込んできた。目を覚まして、朝ごはんを食べて、作業に没頭する。日本にいた頃とほとんど変わらないリズムだ。
でもね、これがボクの望んでいた生活なんだ。特別なことを求めてたわけじゃない。ただ、普段の作業場を変えたかった。時間を過ごすその空間を、新しい風が吹く場所に移したかったんだ。気分転換ってやつ。疲れたなと思って散歩に出れば、そこは異国の街並み。朝ごはんを食べに出れば、晩ごはんを探しに行けば、そこには知らない景色が広がる。それこそが、日本にいた頃に頭の中で描いていた「理想の毎日」だったんだ。
そう、ボクはアフィリエイター。パソコンに向かう作業が仕事のすべて。真剣に向き合わないと、たちまち足元が崩れる。安定なんて、夢のまた夢だ。
そんな中、夕飯を食べにいつもの食堂へ向かった。そこには、よく顔を合わせる日本人のおっちゃんがいた。「こんばんは」と軽く挨拶して、気がつけば相席していた。ボク、こういう行動をよく取る。人懐っこいといえば聞こえはいいが、図々しいと言われても否定はできない。
でも、後からじわじわ悩むのだ。あのおっちゃん、一人でゆっくり食べたかったんじゃないか、とか。「邪魔じゃないですか?」と一応聞いてみたけれど、正直な答えなんて期待できない。そんなとき、ふと思う。「こういうのって悩むべきことなのか?」
人は、ボクがどれだけ気を使おうが遠慮しようが、勝手に好きになったり嫌いになったりするものだ。だったら、自分らしく振る舞えばいいのではないか、と少しだけ気持ちが軽くなる。合う人とは自然に仲良くなれる。それなら、試行回数を増やせば合う人に出会える回数も上がるはずだ。数学的発想。ナイス。